近年の飲食店業界は目まぐるしく変化を続けていますが、そのような状況で、どのようなポイントに注目してお店作りをすれば良いのか、お悩みの方も少なくないのではないでしょうか。
大切なのは「お客様にとって大事なものは何か」、「お客様がまた来たくなるお店はどのようなところか」という視点です。
本コラムでは、お客様がまた来たくなる飲食店の空間づくりを解説します。
目次
また来たくなる飲食店というと、どんなお店を想像するでしょうか？料理の美味しさはもちろんですが、飲食店全体のコンセプトも重要なカギになってきます。
コンセプトがしっかりしていないと、ターゲットや、店舗の立地、メニュー、価格、店舗外観・内装など、あらゆる点にブレが生じてしまいます。
さらに、近年のトレンドでは、体験価値(カスタマーエクスペリエンス)が店舗営業の大きなカギとなっています。
ファストフードやコンビニなどで商品購入の効率化が進む一方で、実体を伴う食品だけではなく、提供されるサービス・時間・雰囲気などの「体験」そのものが、お店だからこそ提供できる重要な商品として認識されるようになりました。
お店を通して、お客様にどのような体験価値を届けたいか。
つまり、そのお店で「どんな体験をして、何を感じてほしいか」を明確にすることでお店の核となるコンセプトが出来上がります。
しかし、せっかく良いコンセプトがあっても、それが伝わらなくては勿体ないですよね。 大切なのは、コンセプトだけでなく、それをきちんと伝えるストーリーテリングが伴っていることです。
飲食店内装における「コンセプトを伝えるストーリーテリング」を実現するための具体的な手法には、以下のようなものがあります。
出入口（玄関）、看板、サイン、壁、床、動線、テーブル、インテリアデザインなど。コンセプトを物理的に伝えることができる、空間演出の代表例といえるでしょう。
同じ内装でも、照明の使い方や映像・音響の使用によって、与える印象は全く異なります。例えば「親しみやすさ」「高級感」を演出するには、照明の使い方がまったく異なってきます。
空間演出だけでなく、入店から退店までの流れを大切です。
注文の方法、提供の方法、支払いの方法も体験価値の一部です。 例えば最近ではキャッシュレス決済など会計方法が多様化しており、方法によってお客様に与える印象を変えることができます。
上述した手法の他にも、従業員の衣装、ロゴやキャラクター、その他マーケティング施策によって、お店のコンセプトを伝えることが可能です。
飲食店の場合、空間演出を工夫し世界観をより良く表現することで、お客様の体験価値を高めることができると言えます。
ここでは海鮮料理店の例を用いながら、ストーリーテリングの考え方を紹介します。
例えば海鮮料理を提供する飲食店を開業したとしましょう。このお店で提供するのは新鮮な海鮮料理です。
このお店でお客様に得てほしい体験価値を、食品の新鮮さから発展させて、「新鮮な海鮮料理を通して、まるで海の上でとれたての魚介類を食べているような非日常感を味わってもらうこと」としてみましょう。これがこのお店のコンセプトになります。
このコンセプトを伝えるためには、何より食材や料理そのものの「新鮮さ」が欠かせません。
この新鮮さをストーリーテリングを用いて演出する場合、例えば海上に浮く漁船というテーマで内装を仕上げることで「海上」や「とれたて」というイメージを伝えることができるかもしれません。
床を甲板のように見せたり、壁面を船のように仕上げたりすることで船に乗っているような気分をお客様にも感じて頂くことができます。さらに椅子は一般的な椅子ではなく、魚をいれるコンテナを椅子として活用するなどの工夫が考えられます。
内装以外にも演出の方法はあります。例えば店内BGMは一般的な店舗では流行の曲が流れていることが多いですが、あえて波の音のような自然音を活用したり、漁師の仕事の様子を想起させるような、掛け声が入ったBGMを使ったりすることで、店内に臨場感を与えることができます。
その他、衣装を漁師の作業服などにする、返事の掛け声を設定するなど、運営の方法でも空間演出を行うことができます。
弊社では飲食店や店舗内装をはじめ、コンセプト作りからそれを伝えるためのストーリーテリングの企画まで、一貫してお引き受けが可能です。
内装は勿論のこと、照明制御や映像演出、サイン、音響など、空間の総合演出を得意としております。また、テーマパーク・文化施設・ショールームなど、様々な空間での実績を有しておりますので、オリジナリティのある空間演出をご支援させていただきます。
どのようなコンセプトを設定したらいいかわからない、コンセプトを伝えるためにどのような方法が効果的か分からないという方は、お気軽にご相談ください。
中央宣伝企画株式会社
