オフィスデザイン

オフィス改革で働き方が変わるってどういうこと?働き方改革の事例紹介

2024.05.02

企業が取り組む働き方改革には、様々な角度からのアプローチが可能です。だからこそ、自社の働き方改革を何から始めるべきかわからないといった悩みを持つ企業も多いのではないでしょうか。

中小企業である弊社は、2020年の新型感染症蔓延を皮切りに、精力的に働き方改革に取り組んでまいりました。
このコラムでは弊社の働き方改革の変遷を振り返るとともに、社員の働き方がどのように変化したかご紹介します。ぜひみなさまの働き方改革のご参考になれば幸いです。

中央宣伝企画の働き方改革の変遷

弊社の場合、新型感染症拡大以前も多くの社員が働きづらさ感じていたものの、新しい働き方に踏み出せずにいました。しかし2020年の本社オフィス縮小移転、基幹システム一新という大きな出来事を機に、様々な働き方改革の取り組みが一気に動き出しました。
どのような変遷で働き方改革を推進していったのか、振り返ってご紹介します。

1、働き方改革の取り組みをスタート


中央宣伝企画の働き方改革

旧態依然とした働き方を続けていた弊社は、非効率な業務や経営の問題などが浮き彫りになり、働き方の問題に向き合い始めていました。弊社の場合、まずは基幹システムの改修とテレワークを推進するところから始まりました。
しかし新しい働き方の制度としてテレワークを導入したものの、なかなか社員には広まらない状態が続きます。一方で、産休育休を取る社員がいたため、次第にテレワークの働き方への理解が広まってきました。
加えてコロナ禍に入ったタイミングでノートPCが支給され、さらにネットワーク環境も一新。全社的にテレワークが開始されました。さらに裁量労働制の勤務形態を採用し、働き方改革に取り組む環境が整っていきました。

2、コロナ禍に戦略的なオフィス改革に着手


中央宣伝企画の働き方改革

テレワークを始めたことで出社率が低下し、オフィスのスペースが余る、さらに従業員同士のコミュニケーションが不足するなどの課題が見えてきました。
これらの問題を解決するために、オフィスの縮小移転とともに運用ルールを整備するプロジェクトチームが発足。理想的なオフィスと働き方の追求のために、各部署からメンバーが集まって議論するところから始まりました。
縮小移転後の本社オフィス(現オフィス)はハイブリッドワークを前提に、フレキシブルなレイアウトに設計されています。働き方改革に取り組むベースである労働環境が整い、コンセプト通りにハイブリッドワークが定着。提案型の業務姿勢へと意識変革も広がってきました。

3、新たに持続可能な企業を目指す取り組みをスタート


中央宣伝企画の働き方改革

オフィス環境が改善され働き方が変化してきたところで、新たに組織風土の問題が顕在化しました。発言しづらい雰囲気がしばしばあること、意見が届きづらい状況への不満など、組織の中の見えない垣根の存在に気が付きました。
そこで全社的なSDGsの取り組みをスタート。SDGs推進チームが立ち上がり、ワークショップや座談会を企画。生産性向上もワークライフバランス向上も、どちらも目指すことが真の働き方改革であるととらえています。

4、働き方改革の次のステップとは

弊社としてのSDGsの取り組みを通し、私たちにとって組織風土の醸成がこれからの働き方改革に必要な要素であると考えています。
改善の方向性が見つかるころには新たな課題がまた見つかるかもしれません。しかしオフィス改革をはじめとする意識変革により、自分たちで変えていく姿勢のベースができていると感じている社員もいます。
また本社オフィスの改革から勢いづいた働き方改革は、今後は他拠点のオフィス改革にも広げていく議論を進めています。

【社員インタビュー】中央宣伝企画の社員の働き方の変化

このように働き方の課題、対策、変化を繰り返してきた弊社ですが、全社的な働き方改革には社員の意識変化が大きく影響していると感じています。
本社オフィスの縮小移転によって社員の働き方はどのように変化したか、本社勤務の社員にインタビューを行いました。働き方改革に取り組む中で気づいた率直な意見が、みなさまの働き方改革のご参考になればと思います。

オフィス改革で働き方はどのように変化しましたか?

立場や職種によって働き方も異なるため、個人の働き方の変化にフォーカスしてインタビューを行いました。

社員の声 – 営業職 Hさん

以前の働き方では、前日現場や残業で退勤が遅かったとしても、長時間満員電車に揺られながら必ず9時に出社しなければならないプレッシャーがありました。だから通勤時間さえ惜しい繁忙期は、オフィスに寝袋持ち込んで宿泊するなんてことも・・・。
だけれどテレワーク+裁量労働制が導入されたことで、以前よりも心に余裕をもって仕事ができるようになりました。また高齢の親の体調も心配であるため、今の働き方なら病院の付き添いなどのケアもできます。
最近は自分の心地よい働き方を継続したい一方で、若手社員の育成をもっと効率よくできないかと、働き方の重心をどのように置くかバランスを考えています。

社員の声 – デザイン職 Aさん

移転前のオフィスでは全て固定席で、デザインチームは広いデスクにデスクトップPCと大きなモニター、その傍らにはカタログやサンプルが山積みになっていました。
わたしはテレワーク導入を機に、使用頻度の高い資料やカタログ、ほか仕事道具を自宅に移動しました。毎日の通勤がないとストレスも減りますし、家族の様子を見ながらさらにリラックスして仕事できていると気が付きました。
こうして私個人は働きやすくなったのですが、それぞれの家で独り作業している他のチームメンバーのことも気にかかります。だからこそ日々のチャットでのやりとりや、出社したときの会話を大事にしたいですね。

社員の声 – 現場・施工管理 Tさん

以前の働き方では現場に行く前に出社し、現場が終わってからも出社するのが当たり前でした。また資料確認のためにデスクトップPCが必要で、必然的にオフィスに立ち寄っていました。移動時間がかかるのがネックでしたが、活動拠点があるからこそ周りの人と日常的に相談ができる環境だったと思います。
今はテレワークができる環境と勤怠管理システムの導入で移動時間が削減されましたが、オフィスに立ち寄って仲間と会話する機会が減ってしまい、現状はオフィス改革から働き方が変わった効果が感じづらいです。一方でたまにオフィスに行くと他の人の動きが見渡せるので、相互に声を掛けたり助け合ったりしやすく、良い面も感じています。

社員の声 – 経理・総務 Mさん

以前は請求書や納品書を全て紙で手続きしており、出社しないと仕事ができないという固定観念があったため、テレワーク導入時には様々な処理のデジタル化にも少し抵抗がありました。しかしいざテレワークになったら家で凝縮した時間で集中して仕事に取り組めるし、往復2時間半の通勤時間もカットされて心身共にとても楽になりました。時間の余裕ができたことで平日でも趣味のランニングができるようになり、生活にも満足しています。
管理部メンバーとこまめにチャットで連絡をとっていますが、オンラインのコミュニケーションだけでは相手の様子がよく見えないので、たまにオフィスで顔を合わせると安心します。今はオフィス全体が見渡しやすいので、社員の様子がわかるだけでなく、備品在庫の管理や整理整頓がやりやすくなりました。

社員の声 – 育児世代 Rさん

以前のオフィスでは固定席で島配置、そして周りの空気を読んで残業したり繁忙期はプライベートの予定も諦めたりといわゆる旧態依然とした働き方でしたし、それが当然だったので働きづらさなどの違和感もなく働いていました。しかし産休・育休を経てテレワークと裁量労働制の勤務形態に変わり、今では子育てをはじめ家族の時間を重視できるようになり、ワークライフバランスが向上したと感じます。
現在は私にとってのさらなる新しい働き方に挑戦しています。働き方改革としてチームワーク向上や業務効率化を図る一方で、子どものより良い成長にも向き合いたいです。

社員の声 – 新卒入社3年目 Kさん

自分はデジタルネイティブ世代で学生時代にコロナ禍を経験しました。入社時は既に当社の働き方改革が始まっていたので以前のオフィスの環境は知りません。
今年で入社3年目となり一人でできる業務が増えましたが、そこで働く場所を自分で選択できることの働きやすさを感じる反面、選択できる自由さを叶える「自立性」の重要さを実感しています。とくに入社1年目は”社会人”に慣れるために毎日出社で、それによっていつでも誰かに直接相談できる環境だったからです。
これからは働き方改革を推進するオフィスのとらえ方と、働き方に合うコミュニケーションのスタイルの進化に取り組み、お客様にも伝えていきたいです。

社員の声 – 中途入社3年目 Oさん

以前の職場では緊急事態宣言時以外は完全出社でした。コロナ以前から組織体制変更やレイアウト変更が半年から1年間に必ずあり、それに伴う戸惑いや居心地の落ち着かない雰囲気が全社的にしばしばあったと思います。
ですから転職先(当社)でこれからのオフィスの在り方と新しい働き方を知りました。問題解決するための情報が欲しいからオフィスに集まる、相手を知りたいから様々な手段で自発的にコミュニケーションを試みる姿勢の重要性を体感しています。
現在の目標は業務のスキルアップとともに、プライベートの充実が両立できないか模索しているところです。

働き方の変化とともに新たな課題も

労働環境やそれを改善するための働き方改革は様々な要素が絡み合っています。今回インタビューした社員は、従来よりも働きやすくなった一方で新たな気づきや問題を認識していました。
新しい勤務制度を取り入れる、労働環境を改善するなど取り組み方は多様ですが、取り組んで終わりではなくよりよい働き方を模索していく組織風土も大切です。
企業としての働き方改革に取り組みつつ、個人が働き方をより良くしていこうとする姿勢が、ポジティブな雰囲気を作っていくと考えています。

「アイディアが生まれる共創型オフィス」で働き方が変わる

様々な職種の人が集まるオフィスでは、オフィスの居心地をはじめ、働きづらさや業務の悩みなど、あらゆる場面で感じると思います。こうした悩みを解消するためは、

  • 不満の声を建設的な意見に変換する
  • 上層部から一社員までが一つのチームとして課題の改善に取り組む
が大事なポイントであると考えます。
そしてこれらを実現するために、まずその雰囲気を変えていくことが重要です。
不満をポジティブに変換する「仕組みづくり」と、自分たちで変えることの「成功体験」を得ることで、オフィスの空気は変わり、働き方改革への前向きな姿勢が自ずと広がります。
持続可能な企業を作っていくにあたり働き方改革の取り組みは必須であり、そのベースをつくるオフィス改革は大きな効果があると私たちは考えています。

一方で、職種や業務内容によってはオフィス改革の効果を感じづらいという意見も聞こえてくることも考えられます。従業員の意見を吸い上げて働き方改革へのモチベーションを醸成しポジティブな改善につなげるべく、私たち自身も今まさに取り組んでいます。

働き方改革を推進するオフィスを一緒に作りませんか?

私たちはここまでご紹介してきたように、オフィス改善は様々な働きづらさの問題に効果があると考えています。
オフィス環境や働き方における悩みやモヤモヤをぜひお聞かせください。長きにわたり人と人とをつなぐ空間づくりに携わってきた私たちが、オフィスづくりと働き方改革の実体験をもとに、ポジティブなオフィスへと変換するお手伝いをいたします。

「Co-Working Base」「働く人自身が変えていけるオフィス」をテーマに、オフィスづくりを通して、従業員が生き生きと働けて生産性も向上する「成長と雇用のグッドバランス」をご提供してまいります。
オフィス移転・改装をはじめ、働き方改革の進め方に関するご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

オフィスづくりのコンセプトや詳しいサービスについて、こちらのページでご紹介しています。

小山 琢

小山 琢

中央宣伝企画株式会社