昨今の少子高齢化が進むなか、継続した経営のために、従業員の健康やワークプレイスの居心地にも目を向けて改善に取り組む企業が増えています。
たとえばオフィスに「リフレッシュスペース」を新たに設けることも、従業員の健康維持に向けた取り組みの一つと言えます。
とはいえ、リフレッシュスペースの必要性や、どのようなことに気を付けるべきかわからず、導入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はリフレッシュスペースの導入に向けてどのような考え方が必要か、オフィスに設置するメリットや快適なオフィスのポイントをご紹介します。
目次
「働き方改革推進」というと、業務効率化や業務に向き合いやすい環境づくりなど、実務に対するアプローチが目立ちます。しかし今回は「休息」にも目を向け、なぜ休息が必要なのかを考えていきましょう。
どうしてリフレッシュスペースが重要なのか、行政からの提言もふくめてご紹介します。
厚生労働省が制定する労働安全衛生法には、快適職場づくりが事業者の努力義務とされ、「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」が示されています。
職場とは、生活時間のおよそ3分の1を過ごす場所です。そのため、オフィスにおける「労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備」であるリフレッシュスペースは、重要な役割を持ちます。この快適職場指針のめざすものは、「仕事による疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすい職場づくり」です。快適職場指針では、「作業環境の管理」、「作業方法の改善」、「労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備」、「その他の施設・設備の維持管理」の4つの視点から措置を講じることが望ましいとされています。
生産性向上や働き方改革というと、業務効率化に注目されやすいのが現状です。もちろん業務効率化も重要ですが、全体のパフォーマンスを効率よく向上させるには、業務以外にも休息時間が大切になります。
また、昨今注目されている「ウェルビーイング」の考え方にもあるように、労働環境における心身の健康のほか、社会的に満たされていることも理想の状態とされます。オフィスにおいては、「リフレッシュできる」「気分転換できる」空間があることが、働き方を改革し社員の意欲を上げ、健康経営にも影響します。
オフィスの中にリラックスできる空間を設けると、働き方改革の取り組みにおいても良い効果に繋がります。
とはいえ、リフレッシュスペースを導入するには計画性も必要です。そこで、リフレッシュスペースを導入する前に知っておきたい「導入のメリット」と「導入の実例」の2つの視点で解説します。
リフレッシュスペースは適切な休息が取れるだけでなく、従業員同士のコミュニケーションが活性化したり企業イメージがアップしたりと、さまざまなメリットがあります。
リフレッシュスペースを利用することで、仕事の合間や休憩時に従業員がリラックスでき、ストレスを軽減できます。スペースにはマッサージチェアや快適な椅子、穏やかな照明など休憩に適した環境があることで、心身のリフレッシュが期待できるでしょう。
「適切な休息」とは、業務との区切りがきちんとある時間のことです。
リフレッシュスペースを作れば従業員が仕事とプライベートの間でメリハリをつけ、リフレッシュする機会が得られます。長引く業務により集中力が途切れることもなく、休憩時間からの復帰も切り替えやすいです。
心身がリフレッシュされると仕事のアイデアも沸き、集中しやすくなります。従業員の創造性や生産性が向上にも影響するでしょう。そのため、リフレッシュルームは新しいアイデアを生み出す場として機能するよう、環境づくりが大切です。
リフレッシュスペースは、業務とは関係なく異なる部署や従業員同士が集まる場所です。
仕事に関係ないリラックスした雰囲気の中でのコミュニケーションが、チームビルディングや社内コミュニティの強化につながることも、メリットの一つと言えるでしょう。
リフレッシュルームが整備されているオフィスは、従業員にとっても健康が維持でき、話題性も幸福感も高いものです。従業員のモチベーションアップや、人材の定着、企業のイメージアップにも活用できます。
リフレッシュスペースは画一的な空間ではなく、企業や業種、会社の風土や雰囲気によってさまざまなスタイルが考えられます。ここではリフレッシュスペースの実例をいくつかまとめました。
企業に合うリフレッシュスペースを導入するために、一つずつ見ていきましょう。
一般的なリフレッシュスペースには、リラックスして座れる椅子やソファを設置し、くつろげる空間を作ります。執務スペースとパーテーションや壁、フロアで切り分けると、休憩中に食事ができる空間としても活用できるでしょう。
執務スペースの窓際の一画に、外が見えるカウンター席を設けます。見晴らしがよく開放感のある席は、リフレッシュスペースとしても活用できるうえ、リフレッシュしながら仕事をする執務スペースとしても活用できます。
簡単なミーティングやチームでの話し合いもできる空間としても、役立つでしょう。
カフェ風の内装でリフレッシュ効果をもたらすよう設計された空間が、カフェスペースです。ドリンクコーナーを設置すれば、お茶やコーヒーを飲みながら休憩できます。
自然と従業員が集まるため、部署を超えたコミュニケーションを促す空間としても大切な場になるでしょう。
体を動かすのは、リフレッシュ効果が大きく期待できるものです。
軽い運動ができるような空間やトレーニングマシンなどを設けるほか、卓球台やビリヤード台などのコミュニケーションも兼ねた設計にしても、個性的なリフレッシュスペースになります。海外の企業でも、よく採用されている手法です。
ここまでご紹介してきたように、目的に応じた様々なリフレッシュスペースのかたちがあります。リフレッシュスペースでは、休息の効果だけでなく空間の用途やデザイン性についても考えるとより従業員の求めるスペース作りができます。
リフレッシュスペースを導入するにあたって、限られたスペースの中でどう作成すればよいのか、運用ルールやデザインなどさまざまな要素を比較検討しなくてはなりません。日々の業務と並行してこの点を調べるのは難しく、導入が進まないという方も多いかと思います。
従業員の健康維持や、リフレッシュスペース導入に向けてすぐに検討できるよう、リフレッシュスペース導入のコツを解説した資料をご用意しました。みなさまのオフィス改善にお役立てください。
オフィスを一新するには、費用や労力がかかるものです。一方で、オフィススペースは一画を見直すだけで、執務スペースもあわせて居心地の良い空間へと改装できることもあります。
従業員のモチベーションアップや、定着率を向上させたいなど、働き方のお悩み対してオフィス空間の改善から考えてみましょう。
私たちが提案するオフィスづくりのサービス「コワーキング・ベース」では、ハイブリッドワークを促進し、コミュニケーションが活性化するオフィスをご提案しています。
オフィス移転・改装の際にはぜひご相談ください。