太古のクジラ化石から全身骨格を復元! ~アキシマクジラの全身骨格復元と展示~

・博物館・美術館・水族館

令和2年6月9日(火)に「つなぐ・広がる・見つける・育む」をコンセプトとした昭島市教育福祉総合センター「アキシマエンシス」がオープンしました。
市民図書館、郷土資料室のほか、教育と児童福祉関連などのさまざまな施設を集約し、市民の交流の場と課題解決を支援する、知の拠点となっています。
弊社はアキシマエンシスのエントランスに飾られている「アキシマクジラ」の全身骨格復元の制作と展示を担当させて頂きました。

■アキシマクジラとは
東京都昭島市内で昭和36年8月に発掘された約200万年前のクジラの全身骨格化石です。
当時小学校の教諭であった田島政人さんと息子さんが昭島市内の多摩川河川敷を訪れて発見し、その後1年をかけて発掘調査が行われた、日本最初のほぼ完全なクジラの全身化石です。
平成30年には群馬県立自然史博物館の木村敏之先生の論文発表を元に、コククジラ属の新種として承認され、世界にひとつしかないタイプ標本に指定されています。
また、昭島市のシンボルとしてキャラクター化されたアキシマクジラが、街中の街灯やマンホール、壁画などに多く見られ、市民にも大変愛されています。

■骨格ができるまで
平成28年から足掛け4年をかけて、この貴重な化石の成形から不足部の再現、その後の成型と骨格組立、吊り展示に至るまでの一連を担当させて頂きました。
「アキシマクジラ」の全身骨格復元は、当施設の重要なシンボルとしてメインエントランスに飾られております。

全身骨格復元においては、群馬県立自然史博物館の長谷川善和名誉館長と木村敏之先生によりご監修頂きました。
化石の状態検査、取扱方法、補強作業、成形における注意点、成型後の骨格組の関節位置や姿勢の指示など多くのご指導の元、慎重に作業を進めました。

<化石の強度や状態を確認中>
<頭骨の搬入>

<化石の状態をチェック>
<化石の状態をチェック>

<成型されたレプリカ骨格>
<成型されたレプリカ骨格>

<化石からの成形>
<化石からの成形>

■現場での吊り作業
令和2年1月に吊り場所となるアキシマエンシスに搬入し、天井からの吊り作業を行いました。
骨格を組む専門作業員とともに吊り位置や高さなどを調整し、魅力的に見える空間となるよう意識して作業いたしました。

<頭骨の搬入>

<高所作業車を使いながら作業調整>
<高所作業車を使いながら作業調整>

<吊り作業完了①>
<吊り作業完了①>

<吊り作業完了②>
<吊り作業完了②>

■夜になると別の顔を見せるアキシマクジラ
夜になると青い照明でアキシマクジラを照らし、幻想的な空間を演出します。

■夜になると別の顔を見せるアキシマクジラ

 
 

■夜になると別の顔を見せるアキシマクジラ

施設の詳しい情報は公式ホームページをご覧ください
■アキシマエンシス 公式ホームページ■

https://www.akishimaensis.jp/

太古のクジラ化石から全身骨格を復元! ~アキシマクジラの全身骨格復元と展示~
完成年月
2020年3月
実施場所
アキシマエンシス(昭島市教育福祉総合センター)
クライアント
昭島市
業務内容
設計・制作・施工