中小企業である私たちが働き方改革に本気で向き合い始めたのは、「このままではいけない」という危機感がきっかけです。
成長に向けた打ち手を検討する過程で、私たちが問い直したのは、事業戦略と、それを実行する「組織のあり方」そのものでした。
限られた人員で、どうすれば無理なく、持続的に成果を出し続けられるのか。
そうした問いに向き合い続けた末に、私たちがたどり着いたのが、“チームワーク”を経営の軸に据えるという考え方です。
なぜ私たちがその結論に至ったのか。
私たちの働き方改革のプロセスを連載で辿るコラム第1回として、改革の出発点となった思考と、その背景をお伝えします。
目次
変化のスピードが速い時代、企業が成長し続けるためには
変わり続ける力が欠かせません。
社員一人ひとりは、日々の仕事に誠実に向き合い、それぞれが責任を持って業務を担っています。
それでも、もっと工夫できる余地があるのではないか、もっと効率よく進められるのではないか──
そう感じながら、思うように変化が生まれず、もどかしさを抱えている経営者の方も少なくないはずです。
こんな光景に、心当たりはありませんか?
私たちは1948年創業の老舗企業として、空間演出の分野で実績を積み重ねてきました。
社員数は50名に満たない規模ながら、デザイン力を強みに多くのクライアントから信頼をいただいています。
一方で、景気や市場環境の変化を受けやすい事業構造であるがゆえ、業績に波が生じる局面もありました。
とはいえ、これまで培ってきた経営基盤があったからこそ、急激な変化を迫られることなく、日々の事業に向き合い続けることができていたのです。
そのような中、2016年の経営トップ交代をひとつの契機として、私たちは改めて自社のあり方と向き合うことになりました。
将来にわたって成長していける企業であるためには、個々の努力に頼るのではなく、組織として力を発揮できる状態へと変化していく必要がある──
そうした課題意識が明確になったのです。
ここから、私たちの改革は本格的に動き出しました。
当時の私たちの組織は、いわば“個の頑張り”で成り立つ組織でした。
徹夜や休日対応もいとわず、現場を回しきることで信頼を積み上げる。
高度成長期型の働き方が、無意識のうちに当たり前になっていたのです。
その一方で、
限られた人員で、持続的に成果を出し続けるにはどうすればよいのか──
その問いと向き合う中で、私たちが行き着いた答えが“チームワーク”でした。
私たちが考えるチームワークとは、各人の個性を生かしながら、仕事はもちろん、家族や心身の健康への思いも尊重し合い、お客様、社員、パートナーを含むすべてのステークホルダーの将来を、より豊かなものにしていくことです。
単なる役割分担や助け合いではなく、
一人ひとりの人生や価値観を土台に成り立つ関係性だと捉えています。
そのために欠かせない前提が、一人ひとりが自律して働けていることでした。
では、どうすればチームワークは育つのか──
私たちは、「意識を変えよう」と呼びかけることからは始めませんでした。
なぜなら、行動が変わらなければ、意識も変わらないと考えたからです。
社員の行動を自然に導くために必要だったのは、「どのように働いてほしいか」という経営の意図を、日々の行動に落とし込む“仕組み”でした。
こうして私たちは、制度・IT・オフィスから、改革に着手していくことになります。
次回は、チームワークを意識ではなく行動として根づかせるために、私たちがどんな制度やITから整え始めたのか。
働き方改革の具体的なプロセスをご紹介します。